多焦点眼内レンズの乱視矯正レンズ、レンティスコンフォートトーリックが保険適応になりました。ドイツOculentis社開発製造、参天製薬発売のレンズです。
2つの付加価値を付けた眼内レンズであり、このレンズに適応のある患者さんに対しては満足度が高いと思いますが、多焦点眼内レンズは光を分けることに起因する根源的な弱点、コントラストの低下があり、(カメラが趣味の院長にとってコントラストは写真の命であると考えている)適応症例は限られるべきです。
納入価格が高く、レンズ挿入やレンズ計算が煩雑、軸ずれ、グレア、ハローの可能性があるトーリックレンズ、多焦点眼内レンズは医療者、患者側双方にリスクのあるレンズであり、リスクに見合った保険点数に変える、もしくはレンズ代金を保険から外すなどをして価格を変えないと日本での開発が進まず、結局日本の国富が海外企業へ流出し、日本の眼科医療は進歩しないと危惧します。
数千例白内障手術を行っている院長の経験上、単焦点の非球面レンズで-0.6D〜−0.7Dを狙って、強主経線切開すれば遠方から近方までほぼメガネが要らなくなるため、個人的に最高だと考えています。「多焦点レンズが単焦点より優れている、最高だ」という認識は間違いです。
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