「良い戦略 悪い戦略」リチャード・P・ルメルト 日本経済新聞出版社 を読んだ。
戦略にはルメルトによると下記のように定義される。
<戦略は3つの要素から構成されたもの>
1.診断・・状況を診断し取り組む課題を見極める
2.基本方針・・診断で見つかった課題にどう取り組むか、大きな方向性と総合的な方針を示す
3.行動・・基本方針を実行するために設計された一貫性のある行動
悪い戦略の例
・コーネル大学のミッションは「未来のリーダーを育て知のフロンティアを広げることによって、社会に貢献する学問の場でありつづける」である。これは要するに「コーネル大学は大学である」と言っているに過ぎず、なんの意味のある情報を発していないとルメルトは分析していた。
・NECの戦略発表会で「限られた地球の資源を、ICTによるインテリジェンスを用いて効率的に活用し、将来に渡って持続可能な社会の実現に力を尽くす」と述べた。
これは戦略ではない。株主資本利益率2%未満、営業利益1.5%では研究開発費も捻出できない。NECに必要なのは利益を増やす戦略であって、聞こえのいいスローガンではないと言い放つルメルトに凄みを感じた。
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