プロダクトホッピングとは、人気医薬品の特許が切れる少し前に、その薬の一部を改良し、特許を取って販売する手法だ。
アメリカでは反トラスト法に該当する懸念があり、過去に裁判例もある。
それらの判例を見てみると、単にプロダクトホッピングのみ行う場合は合法で、従来品を回収、撤回してしまう(ハードスイッチという)、新商品を強要するといった行為が加わると違法になるようだ。
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翻って今の日本の製薬会社はどうだろう。
特許が切れる直前に、点眼濃度を濃くして新発売したり、
(例 クラビット点眼薬0.5%の特許切れからすぐクラビット点眼薬1.5%を発売)
特許が切れる寸前に、点眼の粘性を高めて、1日2回から1日1回点眼にして新発売したり。
(ミケラン点眼薬の特許切れの時期にミケランLA点眼薬を発売)
そして製薬会社は医師に旧商品の採用停止をお願いし、新商品の処方を促す。
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製薬会社が特許切れで急激に収入が落ちることを危惧していることは理解できる。(パテントクリフという。)
しかしだからといって、特許期限ギリギリで濃度を変えたり、粘度を変えたり、剤形を変えたり、配合剤にして新製品として新たに売る手法は間違っている。
そんなことに腐心するくらいなら、全く新しい薬剤を開発することに注力すべきなのだ。
とりあえず儲かる、ニューキノロン系抗生剤や、プロスタグランジン系の緑内障点眼薬ばかり開発している。
ほんの僅かに成分を改変して発売。そして特許切れ直前に粘度を変更。または配合剤にする。
ほとんど同じような薬剤ばかり開発して日本の医療の将来は大丈夫ですか?
我々医師も馬鹿ではない。
姑息な手を使わず、新しい、画期的な薬を開発していくメーカーこそ、心から応援したい。
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