患者さんの職務上知り得た情報は他人に口外しません。
当然の医師の義務です。
たまにお年寄りの方で、友人や知人の病状を私に聞くことがあります。
「Aさん、最近岐南眼科来てる?」
「Bさん、最近手術したらしいね?」
私はまず「う〜ん。」とか「は〜。」とか、どっちとも取れる返事をします。
さらに聞いてきた場合、
「個人情報は言えません。あなたのことを私が他人に言ったら嫌でしょう。」
ときっぱり言います。
生命保険会社が、「医療保険をおろすため、Cさんの病状について教えてもらえませんか?」
と電話で問い合わせがあった場合、必ず拒否します。
患者さんの同意がない限り開示しません。
私の家族にも患者さんの個人情報をもちろん口外しません。
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守秘義務の根拠はどの法律でしょう?
守秘義務の規定は日本の刑法です。
そして、紀元前4世紀に記されたヒポクラテスの誓いから存在する、医師の根源的な考え方です。
<ヒポクラテスの誓い>
医の神アポローン、アスクレーピオス、ヒュギエイア、パナケイア、および全ての神々よ。私自身の能力と判断に従って、この誓約を守ることを誓う。
- この医術を教えてくれた師を実の親のように敬い、自らの財産を分け与えて、必要ある時には助ける。
- 師の子孫を自身の兄弟のように見て、彼らが学ばんとすれば報酬なしにこの術を教える。
- 著作や講義その他あらゆる方法で、医術の知識を師や自らの息子、また、医の規則に則って誓約で結ばれている弟子達に分かち与え、それ以外の誰にも与えない。
- 自身の能力と判断に従って、患者に利すると思う治療法を選択し、害と知る治療法を決して選択しない。
- 依頼されても人を殺す薬を与えない。
- 同様に婦人を流産させる道具を与えない。
- 生涯を純粋と神聖を貫き、医術を行う。
- どんな家を訪れる時もそこの自由人と奴隷の相違を問わず、不正を犯すことなく、医術を行う。
- 医に関するか否かに関わらず、他人の生活についての秘密を遵守する。
この誓いを守り続ける限り、私は人生と医術とを享受し、全ての人から尊敬されるであろう!
しかし、万が一、この誓いを破る時、私はその反対の運命を賜るだろう。
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