<平成30年の東大理科一類小論文の問題>
遠いアンドロメダ星雲に我々の地球と同じような天体があり、人類とほぼ同様の生命体が住んでいるとする。
しかし、その生命体は、光に関しては、紫外線領域のある波長の強弱しか検知できないとする。
その生命体は、我々人類とは異なるどのような科学技術や文化を発展させていると考えられるか?
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QuizKnockというyoutubeチャンネルで取り上げられていた問題。
もちろん模範解答はなく、いかに論理的に考えるかということが求められている。
僕は眼科医の目線で考えてみることにする。
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紫外線は当然人間には見えない。
が、大部分の動物や昆虫の一部は紫外線を見ることができる。
それは網膜の視細胞が人間は赤、緑、青の3種類に対して、鳥類などは紫外線を感知するもう一つの視細胞を持っているからだ。
紫外線が見えることにより、鳥類はネズミの尿が光って見えたり、花の蜜の場所を可視できるようになる。
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では紫外線の一部しか見えない場合どうなるか?
それは色彩のないモノクロの世界。
アンドロメダに住む他の生命体が可視光線を見ることができるなら、かなりの視覚的ハンディを背負うことになる。
生態系の頂点に立つことはできず、他の動物に怯えて生きることになるだろう。
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科学技術の進歩については色覚にたよらずとも発展していけるように思う。
視力の方が重要だろう。
網膜の黄斑部の分解能が十分にあれば文字も発明でき、精密な道具を作れるから文明は発展しうる。
逆に視力が昆虫のように0.01ぐらいしかなければ当然それらはできず、猿人程度にしか進化できないのではないか。
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文化については色覚を拠り所とする絵画などの発達は難しく、音楽、嗅覚、触覚、味覚を中心とした文化が発達するだろう。
一部の能力が劣っている場合、他の感覚が研ぎ澄まされる。
ものすごく美しい音楽や、とんでもなく美味しい食文化が生まれているかもしれない。
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実際宇宙人がアンドロメダにいる可能性があり、視機能が人間と全く違っている可能性があるわけだ。
将来出会ったときにびっくりしないよう、今のうちから想像力を膨らませておいたほうがいいかも笑
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