"独裁国家に行ってきた" MASAKI著 彩図社を読んだ。
これは世界204ヶ国を貧乏旅行して回っている著者が書いた旅行記。
でも普通の旅行記ではない。
やばい独裁国家14ヶ国の潜入記だ。
・ナウル・・・太平洋に浮かぶ、かつてリン鉱石採掘で栄え、日本よりGDPが高かった国。
国民全体がリン採掘の利益だけで何もしないで生活していたため、リンが枯渇して自滅したあとも国民全体がテキトーな生活をしている。
今だけを生きる国。
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・ベネズエラ・・・南米の反米国。旅行者に店員も住人も冷ややかな態度。強盗被害に会ってもすぐ警察が来ない。1時間後にやっと現れて、警察も「奢ってくれ」「タバコをくれ」とたかってくる始末。警察も腐敗しきっている。
南米の強盗国家。
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・リベリア・・・西アフリカの奴隷が作った国。リベリア大使館でビザ代を大使館員にぼったくられる。英語圏でコミュニケーションが取りやすい。
住人たちはフレンドリー。でも誰と喋っても、最後は金をくれという話になる。
乗合タクシーに9人乗せられ、故障。雨の中車を押し続ける。
最後は警察に拉致され、勝手にカバンを漁られる。
アフリカの最貧国。
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・コンゴ共和国・・・警察に拉致され、現金を盗まれる。賄賂を拒否すると監獄へ入れられる。
警察の隙をついて、人から電話を借りて日本大使館へ連絡し、大使館員のコネでなんとか救出される。
リアル北斗の拳の国。
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という奇想天外で無謀すぎる旅の連続。
この著者は恐怖感という感情が他の人よりかなり鈍感だ。
この著者がすごいのは、「絶対賄賂は払わない」「嘘つきだ」って相手にちゃんと主張して、拒否して怒るところ。
素直にお金を渡せばすぐ解放してくれるだろうに、正義を貫くところが笑える。
そして、外国で守ってくれるのはその国の日本大使館だけ。
日本大使館の電話番号をメモして持ち歩く著者はさすが。
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独裁国家になると国民はどうなってしまうのか、失敗国家の成れの果てを見た。
いかに"安全"が貴重でかけがえのないものか。
日本がどれほど恵まれている国かを噛みしめながら読んだ。
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