視神経炎の最近の知見と治療について日本眼科学会雑誌に特集されていたのでまとめてみた。
・AQP4抗体陽性視神経炎(AQP4ON)は再発しやすく、ステロイド抵抗性。
・myelin-oligodendrocyte glycoprotein抗体陽性視神経炎(MOGON)は治療反応性は良いが、再発しやすく、ステロイド依存性。
・AQP4ONは全体の12%
・MOGONは全体の10%
・MOGONはステロイドを8ヶ月時点で1mg/day以上と長時間かけて漸減していく。
・AQP4ONは視神経脊髄炎スペクトラム障害の一型とされている。
・AQP4ONは速やかにステロイドパルス療法が第一選択。
・ステロイド抵抗性の場合、血漿浄化療法、免疫グロブリン大量静注を行う。
・血漿浄化療法はAQP4ONに保険適応だが、MOGONは適応外。
・免疫グロブリン療法はMOGONにも保険適応。
・AQP4ONの再発寛解期では、エクリズマブ、ラブリズマブ、サトラリズマブ、リツキシマブ、イネビリズマブが保険適応。
・MOGONの再発寛解期はステロイドのみ保険適応。
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一昔前は視神経炎といえばステロイド一択しかなかったが、生物製剤や血漿浄化療法が保険適応になって治せる病気になってきた。
問題は生物製剤があまりにも高額であることだ。
サトラリズマブ(商品名エンスプリング)は皮下注射で薬価が1本153万円。
これを再発予防目的で4週間隔で注射する。
イネビリズマブ(商品名ユプリズナ)は静脈注射300mgで1048万円これを6ヶ月ごとに注射する。
年間2000万円の注射を一体何年打ち続けるのか?
持続可能な医療保険制度という観点から議論されるべき問題だ。
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