**私が行っている白内障手術における患者さんの眼内レンズの決定手順**
・SRK-T式とBarrett universal 2式をAlscanで計算
(SRK-Tがもっとも日本で使われており、歴史がある。Barrett universal 2式は現在最も精度が高いと報告多数)
・SNRが1桁の場合は超音波でも眼軸長を計測
(SNRが低いと光学式の精度が低いため)・SRK-T式の計算結果を私の過去150例程度の実測値から作成した回帰式で補正
(SRK-T式は角膜曲率半径が44付近では誤差がないのだが、角膜曲率半径が44から外れるに従い誤差が生じる。具体的には角膜曲率半径が大きいほどマイナスへずれる傾向がある。この分布に対して近似曲線を作成し、補正を加えた。Barrett式ではケラト値や眼軸長に誤差の相関は認めなかったため補正しない)
・補正したSRK-T式とBarrett universal2式の結果の間の範囲でレンズを決定
・片眼の白内障手術をしていた場合はその術後眼の誤差を参考にする
・-0.5Dパワーを落としたスリーピースの眼内レンズをバックアップで用意。
(破嚢等の合併症対策のため。)・角膜乱視が倒乱視で-2.0Dを超える場合は上方切開とBent切開でトーリックレンズを計算
・トーリックの計算ではわずかに直乱視化するレンズパワーを選択
(倒乱視より直乱視のほうが自覚的に見やすいため)・上記の過程を視能訓練士がまず計算し、別の視能訓練士がチェック、私が再度計算し直して3重でチェックして最終決定する。
ここまで徹底的に眼内レンズを考え尽くさねばプロの仕事とは言えません。
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