国立教育政策研究所による令和3年度の学習状況調査で、テレビゲーム(スマホを含む)の時間と成績の関係を調べたグラフが以下のものだ。
このグラフを見て、テレビゲームをやりすぎると成績が下がるといえるだろうか?(下の図)
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勉強が嫌いだからテレビゲームが増えるし、勉強が嫌いだから成績が下がると考えられる。
この「勉強が嫌い」は原因と結果に作用する、交絡因子となる。交絡因子がある場合、テレビゲームと成績低下は因果関係にあるとは言えない。
(相関関係だ)
世の中こういった調査結果ですぐゲームは良くない、スマホが元凶だと短絡的に結論を出しがちだ。
じゃあゲームを禁止したら成績が上がるか?スマホを取り上げたらどうか?結局漫画を読んだり、だらだらテレビを見たり、ゲームセンターに行くだけだ。
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もう一つ例を挙げる。文部科学省による、朝食摂取と学力についてのアンケート結果だ。(平成31年度、小学6年生)
このグラフを見て、朝食を無理やり食べさせたら成績が上がるのか?・・・上がるわけない。
このグラフで示されたのは、ただ朝食を食べない人に成績悪い人が多いねっていう、相関関係だ。
原因と結果に作用すると思われるのが、例えば「貧困」や「家庭環境」(下図)
この家庭環境や貧困が交絡因子になるから、朝食を食べないことと成績低下は因果関係と言えないのだ。
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本当の原因、本当の因果関係を考えなければ問題を解決できない。
相関関係と因果関係の違いをしっかりと理解すべきだ。
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参考文献 世界一わかりやすい「医療政策」の教科書 津川友介著 医学書院
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