眼圧とは眼球の内圧です。10mmHg以上20mmHg未満が正常値です。
20mmHg以上で高眼圧症と診断します。
高眼圧症は年に1%の確率で緑内障を発症します。
眼圧の測定方法はたくさんあります。
一般的に眼科で最も普及しているのがノンコンタクトトノメーター(略してノンコン)です。
これは眼球に風を吹き付けて角膜の凹む深さで眼圧を推定しています。
それ以外に直接眼球を押して眼圧を測定するトノペン、アイケア、アプラネーションがあります。
ノンコン<トノペン<アイケア<アプラネーションの順で精度が高くなります。
アプラネーションは硬いチップを押し当てて眼圧を測るため角膜を傷つける可能性があります。
したがって一般患者さんはノンコンのみ、緑内障患者はアイケアを追加、緑内障の進行を認める患者は場合によりアプラネーションも測定しています。
アイケアはごく細い綿棒状のものを角膜に当てて測定しますが、非常に小さいため、点眼麻酔なしで痛みなく測定でき、かつ1回から測定でき優秀な機器です。
(それに対してトノペンは点眼麻酔が必要で、10回の測定をしないと眼圧が表示されない)
緑内障患者にとって眼圧を下げることが唯一のエビデンスのある治療です。
眼圧を下げれば下げるほど緑内障の進行が遅くなります。
一般的に治療前の眼圧から30%眼圧を下げれば進行が止まると報告されています。
しかしながら眼圧は8mmHg程度が点眼で下がる限界です。それ以上下げる必要がある場合は線維柱帯切除術というハイリスクな手術が必要となります。
眼圧が5mmHgを下回ると低眼圧黄斑症という網膜の疾患が発症する可能性があります。
したがって6mmHgが眼圧の下限となります。
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眼圧は30mmHg程度までは無症状です。
30mmHgを超えてくると頭痛、吐き気、眼痛、視力低下を生じてきます。
30mmHg程度までは一般的に内服や点眼で眼圧を下げることができますが、それ以上の場合点滴にて眼圧を下げます。
40mmHgを超えてくると急速に視野がかけて視神経が死んでいきます。一週間放置するとかなり視野が欠けると思われます。
したがって40mmHg以上は緊急手術を検討します。
眼圧が50mmHg以上の場合、即座に眼球に針を突き刺して眼の水を抜く治療をすることもあります。
私が経験した最高眼圧は84mmHgの患者さんでした。
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以上が眼圧に対する一般的な眼科専門医の認識です。
個々の症例によって対応はもちろん違いますので、あくまで一般論として概説いたしました。
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