オーソライズド・ジェネリックとは、有効成分、添加物、パッケージ、製法まですべて先発品と同じものを使ったジェネリック薬品です。違いは作っているメーカーだけです。
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今回アラミスト点鼻薬のオーソライズドジェネリック品で「フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻薬」が発売されました。この馬鹿みたいに長い名前に驚きました。
先発品アラミスト(グラクソ・スミスクライン) 薬価1555円
後発品 フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻薬(日東) 薬価572円
オーソライズドジェネリック フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻薬(武田デパ)薬価628円
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後発品もオーソライズドジェネリックも先発品の約1/3の値段になります。これはとても安価なので、後発品やオーソライズドジェネリックは患者さんのメリットが大きいです。
しかもオーソライズドジェネリックは容器が先発品と全く同じで、高級感、堅牢感があります。
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クリニック側の経営的なメリットはあるでしょうか。
後発品は概ね10%程度の差益が得られますが、1本あたり数十円と微々たるものです。
オーソライズドジェネリックや先発品は差益はほぼゼロです。
つまり、経営的なメリットはありません。
患者さんのメリットだけを考え、オーソライズドジェネリックに切り替えるべきだろうと考えています。
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製造工程、有効成分、添加物、容器、果ては工場まで同じオーソライズドジェネリックって、何の意味があるのでしょう。
これは先発品メーカーが後発品メーカーにシェアを奪われないようにするための、苦肉の策と思われます。
先発品メーカーの子会社、または友好会社にオーソライズドジェネリック売らせる対価としてロイヤリティをもらう。
オーソライズドジェネリックは先発品のブランド力で売ることができ、特許が切れてもロイヤリティで稼ぐことができるため、先発品メーカーと友好会社はwin-winになるのでしょう。
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これって、よく考えたら、子会社や友好会社が広い意味で同じグループ会社とするならば、オーソライズドジェネリックって、ただ先発品の価格を下げただけではないでしょうか。
だとしたら、そんなめんどくさい、長ったらしい名前に変えて、子会社から売らずに、先発品のまま、値下げ販売したらいいだけだと思います。
なぜそれができないのか。無駄の多い製薬業界。ため息が出ます。
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