瞳孔が広がる時、、それは暗所にいる時、交感神経が高まって興奮状態の時、薬物中毒時、動眼神経麻痺、そして死んだときだ。
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暗闇では光がとても少ないので、光量を増やすため、自動的に瞳孔が開く。
交感神経が高まる場合は、運動をしている時が典型例だ。
脳を過剰に使っている時なども瞳孔が開き、瞳孔の大きさで脳の活動性が推測される。
クイズを解かせると瞳孔がみるみる大きくなり、問題を諦めたとたん、縮瞳する。
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有機リン中毒やサリン中毒では縮瞳するが、それらの特効薬であるアトロピンを過剰に接種すると散瞳する。地下鉄サリン事件で、640人が聖路加病院に運ばれた。皆過剰に縮瞳していてサリン中毒だと診断した。
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中東の市場であるバザールでは腕利きの店員は客との価格交渉で、客の眼をじっと見るのだという。
散瞳していると価格に納得していない。
縮瞳していると価格を受け入れている。
だからバザールではサングラス着用が勧められている。
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古代クレオパトラはベラドンナという薬草を化粧として用いていた。
ベラドンナはアトロピンの原料。これを服用すると散瞳し、瞳が大きく潤って見え、より魅惑的な女性になるのだ。
日本人は虹彩が茶色なので散瞳してもわかりにくいが、西洋人は虹彩が青い。だから、瞳孔拡大効果が強調されるのかもしれない。
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アイコフレ、アキュビューディファインといった瞳を大きく見せるコンタクトが人気だ。
大きな瞳に憧れる女性の心理は2000年前から不変のようだ。
ファーストアンドスロー ダニエル・カーネマン著 ハヤカワ・ノンフィクション文庫 より一部引用した。
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