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2022年JSCRSの臨床調査結果

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2022年JSCRSの臨床調査結果

  • 2023.10.14

    日本白内障屈折矯正手術学会から臨床調査結果がまとめられたので報告する。

    <1ヶ月の手術件数>

    26~50件・・26%

    51件以上・・24%


    <術前手洗い>

    ツーステージ法・・39%

    ラビング法・・37%

    ブラシ法・・22%


    <術前抗生剤点眼>

    3日前から・・85%


    <術中眼表面散布液>

    灌流液・・46%

    PAヨード・・22%

    ポビドンヨード・・16%

    生理食塩水・・14%


    <術後抗生剤点眼>

    1ヶ月・・39%

    2週間・・34%

    1週間・・14% ASCRSでは59%


    <抗生剤全身投与>

    内服なし・・49%

    2-3日・・38%


    <麻酔法>

    点眼のみ・・41%

    テノン下麻酔・・36%

    前房内麻酔・・21%


    <トーリックIOL使用率>

    87%


    <トーリック適応乱視>

    1.5D以上・・47%

    1D以上・・28%

    2D以上・・18%


    <眼内レンズ計算式>

    SRK/T式・・77%

    Barrett U2式・・69%


    考察・・
    この大規模調査はあくまでJSCRS会員限定であり、日本全体の白内障手術を反映していないことは念頭に入れるべきである。
    術前手洗いは色々な方法が用いられており、いまだコンセンサスが得られていないのが浮き彫りになった。私は研修医の時代から爪の間はブラシでこすらないと汚い、と教え込まれてきたので、指先のみブラシを使用している。
    術前点眼3日前からは、コンセンサスが得られている。
    トーリック適応乱視が1D以上と1.5D以上を合わせると75%だ。かなり小さい角膜乱視でも矯正する傾向にあることは驚きだった。 今後当院でもトーリックIOLの適応を拡大しようと思う。
    眼内レンズ計算式について、未だにSRK/Tが77%使用されていることは驚きだ。日本は時代遅れではないか。KANE式が最も優れていると数々の論文で示されているのだから、KANE式をもっと使用すべきだろう。もちろん私はKANE式そしてBarrettU2式を使用している。今後EVO式も検討の余地があると考えている。
    さて、このような日本の白内障手術について大規模調査を行い、傾向を分析するのは大変有用である。 今後も注視し、当院における白内障手術を適宜見直していきたい。

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