昨日は変則的な日。午後の外来をやめて、手術日にした。
白内障10件、硝子体注射1件、眼瞼下垂1件(両眼)
合計12件の手術が2時間半だった。
1件あたり12.5分。患者さんの入れ替えや降圧剤点滴などの時間を含んでいるので、極めて速い手術ができた。
どうしてこんな短時間で沢山手術ができるのか。
血圧が高い人にあらかじめ点滴を確保しておくこと、手術前室で心電図を貼っておくなど外回りの事前の準備は大きい。
手術に関しては最短距離で手術を行うよう心がけている。
最短距離とは器具の移動のことだ。
手術は直接介助からたくさんの手術器具を受け取りながら行う。
どのように受け取るか、どのような経路で器具が移動するかによって、数秒ずつ時間が変わる。
先日は看護師に開瞼器の渡す方向を改善するよう指導した。
即改善してくれて、これにより5秒ほど手術は短くなった。
たかだか5秒と思ったかもしれない。
違う。
12人やればこれで1分の短縮だ。
ほんの細かい変更で大きく時間が変わるのだ。
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手術は腕だと言う人がいる。
確かに全然手術に向かない眼科医もいるだろう。
しかし私は手術は勉強だと確信している。
たくさんの手術書を読んで、学会で最新の方法を知る。
そして様々な合併症、難症例を経験し、その対処法を暗記すること。
今日はフェイコ中BSSが溜まって術野が非常に見にくくなる症例が2例いたが、
以前学会で頭部を耳側に傾けることで耳側から排水させるという技術を学んでいたのでスマートに対応できた。
もちろんそれ以外に
1.MQAで直接介助に耳側眼瞼縁を圧迫させる
2.外眼角切開をする
3.ミラクルドレイナーを使う
4.ガーゼをこよりのようにして吸い取らせる
5.フックの使用をやめる
6.I/A2切り替える
など沢山の選択肢が頭によぎった。
このような選択肢が頭に浮かばない術者は勉強不足、だめだ。
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4月は東京で眼科学会。
また一生懸命勉強して、患者さんに還元するぞ。
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