当院では新しいハンフリー視野検査800シリーズを2024年9月に導入しました。
この機種の目玉の一つである、24-2Cについて今回解説します。
ハンフリー視野検査では、3種類の検査プログラムが主に用いられます。
30-2、24-2、および24-2Cです。それぞれについて比較します。
1. 視野範囲:
- 30-2: 中心から30度の範囲までの視野を検査。中心から広い範囲の視野を評価します。
- 24-2: 中心から24度の範囲までの視野を検査。30-2よりも狭い範囲ですが、緑内障診断で一般的です。
- 24-2C: 基本的な視野範囲は24-2と同じで、中心から24度までですが、緑内障の早期検出を目的に特定の部位に刺激点を追加しています。
2. 刺激点の配置:
- 30-2: 6度間隔で配置された76個の刺激点。より広範囲をカバーするため、刺激点が多く、検査時間が長めになります。
- 24-2: 6度間隔で配置された54個の刺激点。30-2より少ない刺激点で、検査時間は短くなります。
- 24-2C: 24-2の基本的な54個の刺激点に加え、緑内障に特徴的な病変部位(中心から約10度以内)に10個の追加刺激点を配置しています。これにより、中心視野や特定の欠損部位の検出精度が高まります。
↑24-2Cの指標。24-2の指標に青い10点が追加された
3. 目的と適用例:
- 30-2: 広範囲な視野を評価したい場合や、中心視野から外れた部分に異常が予想される場合に使用されます。
- 24-2: 中心視野の評価を重点的に行い、特に緑内障などの進行を追跡するために使用されます。診療の標準として最も一般的に使われる形式です。
- 24-2C: 緑内障の早期発見を目的としており、特に中心視野近くの微細な欠損を検出するために設計されています。標準の24-2よりも、視野の欠損パターンに敏感です。
検査時間:
- 30-2: 範囲が広いため、検査時間が最も長いです。
- 24-2: 30-2よりも短い検査時間。
- 24-2C: 24-2と比較して、約30秒程度長くなりますが、依然として短時間です。
まとめ:
- 30-2: 広い視野範囲を評価したい場合に適しています。
- 24-2: 緑内障の進行を管理するために最も広く使用されています。
- 24-2C: 緑内障の早期発見に焦点を当てた検査で、特に中心近くの微細な視野欠損を検出するのに優れています。
それぞれのプログラムを混ぜて経時変化を分析することができません。
したがって当院では今後より鋭敏で早期緑内障が検出できる24-2Cを全例で用いていくこととしました。
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