岐阜大学精神科の塩入教授らは、2012~18年の岐阜大学医学部生637人を対象に医師国家試験に落ちた人を分析し、論文発表した。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39192215/
それによると、有意差を持ってリスクが高い人、、、
・男性(7.9%が不合格)
・入学時年齢(不合格者の入学時平均年齢は27.8歳だった。対して合格者は19.5歳)
・高校の場所(岐阜と愛知県の高校出身者は1.6%不合格に対し、それ以外の出身者は13.7%不合格)
・高校時の内申点が悪い人
・大学入試の成績が悪い人
・大学2年生時の生物医科学のテスト結果が悪い人
・大学4年生時の臨床実習前医学教育の成績が悪い人
・臨床実習前医学教育、卒業試験、診療参加型臨床実習の成績が悪い人
・留年生(21.1%が不合格)
だった。
逆に有意差を認めなかった項目は、、
・高校が私立か公立か
・高校のレベル
・英語の成績
・大学教養過程の成績
だった。
<僕の考察>
この研究から、入学時からだいたい医師国家試験に落ちる人は予想がつくことがわかる。
典型的な医師国家試験に落ちる人は多浪で男で、高校も成績が悪かった遠方出身者。
その対策は、、
・ハイリスク群の学生を特定して、補習させたりよりきめ細かな指導をすることが大事。
・大学入試時点でわかっているハイリスク群は面接などで落としてしまうのも医師国家試験合格率を上げる手段の一つかもしれない。
・ハイリスク群は二次試験のボーダーを上げるのも良いかもしれない。
医学部6年間でかかる学費は莫大。それを国立大学は国費で大半をまかなっている。
6年お金をかけて、医師になれなかったらお金を捨てたのと一緒だ。
この研究はそういう経済的観点からもとても意義がある。
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さて、以前60代で医師になった人がテレビで取り上げられていた。
何歳で医師になっても個人の自由。
だがすぐに定年で辞められては医療経済的に全くマイナス。
だから美談として放送していたTVの姿勢には疑問だった。
60代のその医師より少々学力が足りなくても、めちゃくちゃ体力があってやる気に満ち溢れた18歳が、その60代の男性の合格枠の代わりに医師になって、たくさんの患者さんを救ってほしい。
若者にこそ希望を与えてほしい。
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