久しぶりに「ルポ 貧困大国アメリカ」岩波新書 堤未果著 を読み返した。
この本は堤未果の本の中で最も内容が濃い、アメリカの貧困の現状をレポートした良書である。
この著書の中で「なぜ貧困児童に肥満児が多いのか」が書かれていた。以下抜粋する。
アメリカの貧困層は「フードスタンプ」という食料品購入用チケットが支給される。無収入の4人家族で月518ドル。
1回の食事につき1人40セント。
最も人気なのは「マカロニand チーズ」1ドル50セント。
その他に人気なのはお湯をかけると1分で白米ができる「ミニッツライス」99セント、2ヶ月たってもカビが生えない食パン1斤1ドル30セント。これらのインスタント食品は栄養価はほぼない。 以上抜粋。
結局貧困層が安くてお腹いっぱいになる食べ物はジャンクフード以外にない。
代表的な食品の100グラム単価を挙げる。
炭水化物=小麦粉27円,食パン49円,スパゲティ40円,米37円
肉=牛肉324円,豚肉140円,鶏肉92円
魚=イワシ84円,鯛206円,いか158円,干しアジ123円
つまり圧倒的に炭水化物は安い食料。だから貧困層は食事のほとんどが炭水化物になる。
そして炭水化物は概して高カロリーで高GI値のため、一気に血糖値が上がって、すぐに血糖値が下がり、低血糖状態が苦しいからさらに食べたくなり、肥満、糖尿病になる。
糖尿病の大きな原因として貧困があることを意識しなければならない。貧困が解消されなければ糖尿病は無くならない。
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