眼内レンズが出た当初は9mmほど切開して白内障手術を行っていた。
その後2つに折りたたんで眼内レンズを挿入できるようになった。
今からちょうど20年前だ。
その頃私は県病院の研修医だった。
メスを3つ使った強角膜切開で3.5mmの切開幅だった。MA60BMというレンズをよく使っていた気がする。
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その後インジェクターという筒にレンズを丸めて挿入する方法が一般的になり、2.75mmから挿入できるようになった。
そして新世代のone piece レンズが開発され、最小2.4mmからレンズを挿入できるようになった。
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今日は普段行っている2.75mmから2.4mmの切開創にて手術を行った。
違いをまとめてみる。
<2.75mm切開>
メリット
・手術が速い
・チップや眼内レンズの挿入に余裕がある
・主創口の熱傷リスクが少ない
デメリット
・創口からフェイコ中リーク
・惹起乱視が無視できない
<2.4mm切開>
メリット
・フェイコ中主手術創からリークしない
・惹起乱視が少ない
デメリット
・手術が1分弱長くなる
・チップや眼内レンズの挿入がギリギリ
・サイドポートからのリークが気になる
・主創口の熱傷のリスクあり
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わずか0.35mmの差であるが、
顕微鏡を使ったマイクロサージェリーでは結構感触が変わる。
2.75mm切開の方が明らかにやりやすい。
眼内レンズは角膜切開2.4mmから入る商品が多いので、2.4mmより切開を小さくする必要はない。
2.4mmでもうしばらく手術をして、どちらが患者さんにとってメリットが大きいか判断して行こうと思う。
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