アメリカでは1970年代に、それまで離婚は夫婦双方の合意が必要であったが、どちらか一方の請求のみにより離婚できるという制度を採用する州が増えた。
そこで離婚しやすい法律に変わり、どれだけ離婚率が変化したのか、Wlofersが解析した。
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彼の分析によると、、離婚率は一時的に上昇するが、その後次第に元の離婚率に戻り、最終的には元の離婚率よりむしろ低くなることを発見したのだ。
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制度を変更した直後は離婚したくてもできなかった夫婦が離婚できるようになり上昇したと思われる。
その後元の水準に落ち着くのは理解できる。しかし不思議なのは法制度変更15年後以降、離婚率が低下することだ。
Wichelgrenの仮説によると、離婚しにくい制度に比べ、離婚しやすい制度の下では離婚時に得られる配分を増やそうと努力する。(例えば相手より多く子育てをしたり、親の介護をしたり、、。)
そうすることで逆にお互いの絆が深まって離婚率が低下したのだ。
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壊れやすい関係になったほうが、逆に大切にし、壊れにくくなる。
人間の元から備わった善を信じれる、そんな統計結果だった。
何でも厳罰化、厳格化するいまの法制度。もっと人間を信じてもいいのではと考えさせられた。
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以下の本を参照、一部抜粋した。面白い実例がたくさん取り上げられており、名著だと思う。
参考文献 実証分析入門 森田果著
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