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国内最高額の薬、エレビジスが発売

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院長ブログ

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国内最高額の薬、エレビジスが発売

  • 2026.06.18

    2026年2月にデュシャンヌ型筋ジストロフィーの治療薬が発売された。

    驚くのはその値段。

    国内最高額で、点滴1本が3億497万円だ。

    アメリカ国内の価格を調べてみた。

    アメリカでは表示価格320万ドル(WAC)、純価格は法定割引込みで約2割安の約4.1億円。

    開発国のほうが高い設定なのも不思議。

    これまで国内で10人の患者に投与されたそうだ。


    懸念点は以下の3点。

    ・EMBARK試験パート1の52週時点の結果、主要評価項目である運動機能を評価するノース・スター歩行能力評価(NSAA)はプラセボ群に比べ統計学的な有意差が無かった点。

    急性肝不全による死亡例が海外で2例報告されている点。

    ・薬価が異常に高価な点。


    以下この薬に対する効用をざっと計算した考察。

    純粋な効用=費用対効果の計算から。

    日本の費用対効果評価(C2H)の閾値はおおむね1QALYあたり500万円、重篤・小児などの配慮区分でも750万〜1,000万円が上限。ここに薬価3億497万円を当てはめると、

    • 500万円/QALYで正当化するには 約61 QALY の純増が必要
    • 1,000万円/QALYでも 約30 QALY の純増が必要

    DMDの自然歴での生命予後はおおむね20代後半〜30代。仮にこの薬が「完治」させて健康な数十年を取り戻したとしても、標準治療(ステロイド等で既にある程度延命している)に対する増分で60QALYには届かない。

    まして実際に示されたのは第3相で主要評価項目を外した、持続性も不明なNSAAのわずかな差だ。

    現実的な増分QALYは良くて数QALY、悲観的にみれば1未満。

    つまりICERは控えめに見ても数千万円/QALY。

    閾値より一桁から二桁高い。純粋な効用最大化(同じ予算で社会全体のQALYを最大化する)という基準では、この薬価は明確に不合格。

    この3億円を他の医療に振り向ければ、はるかに多くの総QALYが得られる。

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