ここ数年、眼内レンズの種類が増えてきている。
最近の眼内レンズの流れとして私が注目している出来事は以下の通り。
2019年 レンティスコンフォート(屈折型、多焦点)が保険適応で発売
2023年 NSP-3(強化単焦点)が保険適応で発売
2024年 Gemetric(回折型、3焦点)が選定療養で発売
2025年 Pure See(屈折型、EDOF)が選定療養で発売
上記4つのレンズの比較表を作った。
レンズの使い分けについて。
保険診療ならばNSP-3かレンティスコンフォートだ。
レンティスコンフォートのほうがより近くが見えるが、夜間のゴーストが見える場合があり、夜間の運転が多い人は注意だ。
選定療養でもいい方は、Pure See かGemetric だ。
Pure Seeはギリギリ50cmが見えるぐらい。 Gemetric は理論上30cmの読書ができる。
Gemetric は10%程度の光学的ロスが発生するため、眼の病気がある方は適さない。
またコントラスト感度の低下やグレア、ハローが生じうるため、神経質な人にも適さない。
当院でも近日Pure Seeを導入予定だ。
light budget(光の予算)という言葉がある。
眼内レンズの選択とは、眼に入った光をどの焦点距離にどう振り分けるかを選ぶことである。
焦点を増やせば、その分だけ一つの焦点に届く光は減る。
さらに回折型のレンズでは、どの焦点にも届かず迷光となる光が6〜12%生じ、これが像のコントラストを下げる。
したがって、明視域を広げることには必ず代償がある。
選定療養や自由診療のレンズが、単焦点眼内レンズより一律に光学的に優れているわけではない。
価格の高さは、光学的な優位を意味しない。
大切なのは、その人その人の眼の状態と生活に合ったレンズを選ぶことであり、闇雲に多焦点眼内レンズを勧めることは間違っている。


















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